「アフターデジタル」という本の世界に触れて。日本の決済プラットフォーム戦争の行方を考える。

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[2020年1月28日更新]

スマートフォンを利用してECサイトで買い物をしている

どうも、KYです。(@ky_rta

多くの人が見聞きしているであろう、○○Payといった電子決済サービス。日本では2018年からPayPayやLINE Payの大型キャンペーンによって、爆発的に導入店舗が増えて普及してきた印象を受けます。

もちろんわたしもその中の1人。もともとクレジットカード決済やiD決済がメインのキャッシュレス派ではあったのですが、あまりのお手軽さと強力なキャンペーンの影響ですっかり○○Pay派閥に。
※おもにPayPayとLINE Payを併用してます

でも実は観光地とかに行ってみると、数年前から中国の電子決済サービスであるアリペイ(支付宝)やウィーチャットペイ(微信支付)がすでに導入されているんですよ。

この差はなんだろう?中国がデジタル先進国だという話をよく聞くけど、どんな状況なのだろうか?

そんな疑問を抱いていたところ、120%の満足度で解決してくれる本に出会うことができました。藤井保文さん、尾原和啓さん共著の「アフターデジタル-オフラインのない時代に生き残る-」という本について。

目次

フターデジタルという言葉の意味

デジタル化された地球

日本は世界の流れに合わせて着実に「デジタル化」が進んでいます。しかし現在の状況は「ビフォアデジタル」という段階。あくまで「オフライン」での環境をメイン軸として、「オンライン」でも活用するという考え方です。

それでは「アフターデジタル」という世界はどのようなものなのか?
※「アフターデジタル」という言葉は著者の造語です

この本で述べられている事実は「オンライン」の世界がメイン軸となり、その中に「オフライン」の世界が存在しているということ。つまりデジタルに包括された世界のなかで生活をするということです。ビジネスの面においても同様です。

アフターデジタル時代における成功企業が共通で持っている思考法としての「OMO(Online Merges with Offline、または Online-Merge-Offline)」という概念です。これは、オンラインとオフラインが融合し、一体のものとして捉えた上で、これをオンラインにおける戦い方や競争原理として捉える考え方を意味しています。(出典元:アフターデジタル

上記は成功している中国の企業が共通認識している考え方です。いままでの人生で経験したことがない概念なので、なかなか想像できないですよね。

わたしもこの本を読み進めるにつれて、衝撃の事実を目の当たりにしました。中国はこんなにもデジタル化が進んでいるのか、と。

データを活用して顧客にGiveする競争

朝焼けの万里の長城

アフターデジタル化された世界で最重要なものとはなんでしょう。それは莫大な顧客接点データ情報をもとに、顧客体験(ユーザーエクスペリエンス)を高速で改善し続けることです。

この本の中で驚きの1つだったのは、日本でもたまにニュースになる「無人コンビニ」についての話。日本で報道されるときは「長時間労働」や「人手不足」といった問題点にスポットがあてられ、その解決策として店員の存在が必要ない解決策となるシステムとして話題になっているイメージです。

しかし「無人コンビニ」の本当の狙いは、実店舗における顧客の「購買行動」の情報収集だったのです。入店してからの移動ルートや商品を見つけるポイント、どんなタイミングで購入の意思決定をくだすのか。

店内に無数に設置されているカメラで、徹底的に1人1人の行動データ、むしろ購入にいたるまでの思考プロセスまでもが収集されるのです。そして集められたデータをもとに、次々と顧客体験やプロダクトの改善が進みます。

中国ではどの業種においても、上記プロセスを爆速でこなせる(=変化or進化を続けられる)企業が生き残る時代となっているのです。

 

日本のアフターデジタル世界を勝ち残る企業は…?

パソコンを操作している赤ちゃん

日本は何年後になるかわかりませんが、間違いなくアフターデジタルの世界へ歩みを進めていくことでしょう。というのも日本の決済プラットフォーム戦争に戻ってみますと、これってアフターデジタル社会の前哨戦だったんですね。利用者を多く抱えた決済プラットフォーム業者が「購買データ」「行動データ」などを占有して、有利にビジネスを進める時代。

特に最近ですと、LINE社の動きを見ているとわかりやすいですね。数年前のLINEだと「チャット機能」「ゲーム機能」「スタンプ機能」など、コミュニケーションからの収益を重視していたイメージがあります。

しかし最近は「金融」「保険」「求人」「配達サービス」などに力をいれてますよね。日本のアフターデジタル社会における覇者になろうとしているかのように、あらゆる情報を収集できるプラットフォームに変化していってる印象です。

PayPayもソフトバンク・ヤフー連合が圧倒的な資本力を投下して戦っていますが、利用者のアクティブ人口という意味ではLINE社の圧勝ですよね。もはや連絡手段のインフラといっても過言ではない、「LINEチャット」を擁しているLINE社がプラットフォーム覇者の最有力ではないかと考えています。
※本記事執筆当初の状況から一転、2019年11月にソフトバンク・ヤフー連合とLINE社が経営統合されました…!両者の決済サービスは今後どうなっていくのか…。

心配事もありますが、時代の変化は楽しいものです

川をサーフボードで下る男の子

わたしの体験談で言いますと、つい最近「LINEデリマ」と「LINEスマート投資」のワンコイン投資をはじめてみました。

子どもが小さいもので、なかなか外出して食事をするのが難しいんですよね。そこでゴールデンウィークの10連休にLINEデリマを試したのですが、出前が身近な存在になりましたね。

スマホでポチポチお店とメニューを選んで、LINE Payで決済するだけ。本当に楽チン。LINEクーポンで頻繁にイベントをやっているので、オトクですしね。

 

また、スマホ1台で書類を書いたり郵送することもなく証券口座を開設できる、LINEスマート投資も圧倒的に便利ですね。

投資やiDeCo(個人型確定拠出年金)をはじめるときって、記入する書類や身分証明証の準備がとってもメンドウ。その手続きがすべてスマホで入力して写真を送るだけでOK。投資をはじめる心理的ハードルがめちゃくちゃ低い。

最近利用しているサービスがLINE関係ばかりなので、LINE社のまわしものみたいになっていますが、これってすごいことだと思うんです。「ちょっとやってみるか〜」、と思い立ってから5分で設定できちゃう。いつでも、どこでも、スマホ1台で。

素晴らしいユーザーエクスペリエンスだと思うんですよね。そして利用者が増えて情報が集まるたびに、さらに顧客体験が改善されていくわけです。顧客のロイヤリティが高まり、企業とのwin-winの関係が構築されます。

このようにどんな企業のサービスやプロダクトも、お客様目線に立った「真の顧客体験」をいかに高められるか、という時代に突入しつつあります。企業人にとっては変化の大きな時代。消費者としては変化が楽しみな時代。時代の大きな変わり目を紐解くのに最高の一冊でした。

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この記事を書いた人

どこにでもいるいたって普通の社会人(31歳♂)です。
あまり空気を読まずに思いついたことを綴っていきます。
気楽にお付き合いいただければ幸いです。

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